付録 Babad Tanah Jawi (ジャワ年代記) (3)

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    11. 女王様の顔が見えた時それは天国の女神Habsariの容貌より優れていて、その立ち居振る舞いは恋心を掻き立てその美貌は心を虜にした。

    12. 女王は顔かたちを変える超能力を有していて一日に七回変化し完璧な輝きを持つ美貌になったり、時にはとても年寄りになり、女神の行動の音楽が聞こえるとkelingsariの乙女のように変化した。

    13. 命令を下している時はいつでも、子供を失った女やもめのように、東の水平線から太陽が出ようとする時は容貌が天女のようになり、Kurawa[1]の女神のように悲しみに暮れているように馬に乗るのである。

    14. 大太鼓の時クディリの娘に似ており、Banowati[2]のように太陽が沈む時、女神Ratihのように変化するとき、夜になると美貌はさらに増す。

    15. 高度な超能力をもって女王は幽体同様に1000回も姿を変え、男になることもでき、女神の超能力の高さのゆえに世界中に存在するのである。

    16. 降伏していない人、霊体と生きているジャワの人間すべて、すべての王は降伏し南海の女王だけを彼らは畏怖し、服従し毎年捧げものをする。

    17. メラピ山とラウ山、大洋で王冠をかぶったものであるRaja PaceとNglodhaya、クルド山とウィリス山、Bledugの九つの泉、Kuwu女王、すべてが臨席する。

    18. 七本の榕樹[3]と倒された榕樹、榕樹の巨木、白い榕樹、Ngrobanの森の中

    に、すべては大洋に支配されて、Kebareyan Tegal Layang、Dlepihとパチタンに。

    19. ジャワ全土に広がった霊界の諸王のすべては献身したが、Krendhawahaajiに対抗するGuwaterusanに命じられたGaluhだけは臨席しなかった。

    20. 美しい衣服をまとった乙女たちに提供された食べ物と酒、甘い飲み物Senopatiと南海の女王に戻って話そう。

     

    [1] マハバラータの重要登場人物ののひとり

    [2] マハバラータの重要登場人物ののひとり

    [3] ベンジャミンの木


    付録 Babad Tanah Jawi (ジャワ年代記) (2)

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      6. 霊界の存在に守られた大洋の真ん中に落ちて、美しい庭、威厳ある星々がちりばめられ、赤い真珠、各種のエメラルド

      7. その床はやや高く金で装飾されその端はプラチナで、全開の花を形どった彫刻の装飾で

      8. キラキラ輝いて涼しく感じ寝台の装飾は宙まで届く光が見られ、威厳ある光が輝いて、女神の城から出た光線にあたり、太陽が曇ったように見える

      9. 大きく高い城門はその頂部が大変美しいダイヤモンドで装飾され、太陽光線のような光を放っていて、昼間のような夜であり昼夜は同じになっている。 <297>

      10. 女神の宮殿での出来事を十分に長く話し合った後、心を開きあったMimiとMinutunoのようにSenopatiと女神を離れ離. することはできなかった。


      付録 Babad Tanah Jawi (ジャワ年代記) (1)

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        <295>この付録にはBabad Tanah Jawi (ジャワ年代記)の中のPanembahan Senopatiと南海の女王陛下に関するエピソードを収録する。

         

        KINANTHI (邂逅)

        1. Senopatiと女神様があっている間の二人のゆったりとした方法でSenopatiは先ほどの老女に見えたように女神様の容貌が実際にははっきりとわからなかった。
        2. その後しばらくすると女神さまの顔は魅力的になり、Ratih[1]のような女神さまの美貌に惹きつけられSenopatiと女神は互いの視線を探したのであった。<296>
        3. 宮殿に着くと、Senopatiのみならず女神も手のひらを開いて黄金でできたチュンパカの上に座り、女神はその体をくねらせたのでSenopatiは彼女を盗み見していた。
        4. 女神の美しさを見ていて、女神は人間ではないということに気づき急に不安になりSenopatiは女神の宮殿の庭を見て回った。
        1. 崇敬された庭の美しさ、古い金の寝台、Gatot Kaca[2]と猿王が空中で争い口論した時代に海に放り込まれた寝台
         

        [1] ジャワ帳で信じられているヒンドゥー教の月の女神

        [2] マハバラタの重要登場人物


        第九章 おわりに 南海の女王陛下への信仰とジャワ人生活への影響 (13)

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           デウィ・ランジャール[1]に北の海(ジャワ海)の派遣を南海の女王が委譲したので、海の「支配者」たる南海の女王陛下とインドネシアの王国の国王との「結婚」という形での理解は文脈的にみて、インドネシア民族の栄光と繁栄はこの国にとってどちらも非常に重要な資産として陸と海とを一体化したその成果に存在すると理解すべきである。インドネシア民族は確実に陸と海とを結合させなければならず、インドネシアの完全性を守護し、その島々を諸外国に奪取されてはならないのである。<294>財産とその天然資源も外国勢力に簡単に支配されたり提供されてはならない。過ぎさりし時代のインドネシアの大王たちが望んだようにそのすべてはこの民族に独自で運営されなければならず、インドネシア民族は繁栄するとともに大きな国となるのである。全知全能のアッラーは最高の助け。

           

          第九章訳出終了 2020/1/09

           

          [1] Dewi Lanjar 北海の女王の名


          第九章 おわりに 南海の女王陛下への信仰とジャワ人生活への影響 (12)

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             第三の角度。南海の女王陛下の存在への信心に対してどのような態度をとるかという問題以外に、現在わが民族が目覚めなくてはならないことの一つは、実は古ジャワ時代以来この民族が自己の社会の栄光と安寧の基礎としての海の重要性について深い理解と注意を払ってきたことである。上記の覚醒は単に南海の女王陛下への信心の形であるだけではなく、海洋の強固な探検者としての先祖の日常で形作られて、二世紀以来ジャワ人は広い海に漕ぎ出し、ゆえに10世紀には地球上の大部分で交易と航海のネットワークを有していたことは国際世界で認められているのである。ジャワ人の海洋への情熱の退歩は、ジャワ島内陸部に王都が移転した後、海岸部が外国に占領され植民地化されて初めて起きたのである。それゆえ、海軍と航路の拡大のために当時の植民地主義と対決をしなくてはならなかった。事実、インドネシアの地から植民地主義が撤退した後、この民族はいまだ完全に海域を支配できていないのである。いろいろな海上での力はまさに外国勢力にその運営を委託しており、この民族は最小の部分を得ているだけなのが実情である。ますますこの部分と南海の女王陛下の神話の霧も失われていくとともにこの民族の海への熱情もますます衰えていっているのである。


            第九章 おわりに 南海の女王陛下への信仰とジャワ人生活への影響 (11)

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               この現象は静的な性格を持つ宗教的論理だけでは理解することができないのは確実である。この神秘的な現象に関する理解は宗教の心理的な側面から近づかなくてはならない。Durkheim (Koentjaraningrat, 1981: 223-225と1982:85-102; Baal, 1987:201-220)によると、社会的感情により人の魂の世界において突出してくる魂の震えによって人間は宗教的な行動に突き動かされるので、真実の宗教的理想とは、同じ手法で聖なる存在を想像しそれと交信するという現実でそれらを合一させるすべての連携を有しているのである。

               このようにして、ジョグジャカルタ宮廷の支配者と王国に住んでいる住民たちは儀式や信心そして神話のような比較的同一の方法を通じて同じ目的地に着くためにその宗教的行為を発展させてきた。伝統から生まれた形を形成している南海の女王陛下の神話は宗教的行為を行うことで人々を統一するための一つの手段として利用されている。さらにこのすべての伝統儀式の端には、南海の女王陛下へではなく神への願いの頂点が確かに存在するのである。しかし、こうではない目的と展望を有しているいくつかのサポート(あるいは宗教に合致しない展望)がいまだに見受けられるのは確かであり、整理しなくてはならない人間の願望と展望がいまだに存在するとしても誤った伝統儀式を行っているという意味ではないのである。<293>


              第九章 おわりに 南海の女王陛下への信仰とジャワ人生活への影響 (10)

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                 以上のように、Twikromo (2006)によると、ジョグジャカルタ王宮の人たちによる宗教行事の実施を通じて生きながらえてきた南海の女王陛下の神話は、神秘的なジョグジャカルタ・サルタン国の施政のシステムを安定化させ存続させることと緊密な関係を有しているのである。事実、アッラーを源とする力なのであり、ゆえに施政上サルタンは常に彼を取り巻く超自然界の権力者と交信しているのである。<292> 山や森、海などのような目に見える世界は聖なる存在の可視化であるがゆえに供物をささげたり布施を行わねばならないのである。さらには、ジャワの南海には霊界の権力と権威の中心となっている、すなわち神の代理人(カリフ)のようなものの一人としての南海の女王陛下、大きな幽界の力を持っていると理解されているジャワの南海なのである。基本的には上記の供物奉納の儀式は自然の状態のバランスを取るための一つの方法として利用されている。Labuhanの儀式の時にParangkusumoの管理人(juru kunci)によって唱えられる呪文は、上記の儀礼が国家と国民の安寧と安全と栄光を願うことを目的としていることを指し示している。


                第九章 おわりに 南海の女王陛下への信仰とジャワ人生活への影響 (9)

                0

                   権力と支配の問題でアッラーを源とする権力としてジャワ人たちに確かに見られていることもあり、それゆえに施政を敷くうえで聖なるものに自分を近づける努力を常に要求されるのである。現世の権力とは天啓と超自然の祝福、支配の源と彼らとの緊密な関係があることのサインなのである。このようにして王個人から王国の地域の住民に安寧を保証し恩恵を与えることができる魔力を発すると考えられている。神から与えられた超能力でサルタンは超自然界と交信ができるとジャワ人に理解されている。事実、実際に起きたのはジョグジャカルタ王宮(現在ではインドネシア)の頂点にいる支配者とはアッラーに自分自身を近づけることができるようになった人たちであり、、ゆえにアッラーは、平和と繁栄を人々にもたらすことができる指導者になるひとたちに色々なma’unah (Karamahのような)を伴って神の助けという祝福をお与えになるのである。ジャワのイスラム哲学の言葉では、一国の頂点にある指導者は知恵の頂点の段階に達したものでなければならないことが要求されている、すなわち自分の行動をコントロールできることであり、ゆえに精神世界と超自然界との交信を伴って彼は神から天啓を受けることができるのである。このようにしてその権力の下での自然の平衡が調和的に維持されることができるのである。


                  第九章 おわりに 南海の女王陛下への信仰とジャワ人生活への影響 (8)

                  0

                     ゆえに原則的には、南海の女王陛下の神話論は、施政における武器としてジョグジャカルタ・サルタン国の支配者に利用されていると言える。この神話論は毎日の生活の中で認識されているジョグジャカルタ王宮付近の人たちに尊重され、かれらの信仰を形作っていなければならない神秘の力を王宮付近で得ようとする有力者たちを目覚めさせる。<291>このようにしてジョグジャカルタ・サルタン国の支配者たちはその周囲にある神秘的な力を理解し認識することができるのである。これ以外に南海の女王陛下の神話論は、自然界の力と人間との間の仲介者としても使われているとともに、ジョグジャカルタの王室の存在の安寧と平穏を保証する要素のそのひとつとなれるためにも利用されている。

                    +++++++++++++++++++++

                     

                    読者の皆様(もしいらっしゃればの話ですが)

                    2020年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

                     

                    今年こそこの「南海の女王陛下」の翻訳を終わらせようと思っていますが、今年は海外出張が忙しくなりそうで翻訳する時間が取れるかどうかを危ぶんでいます。

                    筆者ももう六回目の年男(1948年生まれ)ですから体力・気力にも限界が見えてきました。それで、仕事の暇を見つけては少しずつ翻訳を進めるつもりでいますので、見捨てないで、温かく見守ってやってください。

                     

                    ではでは。皆様が素晴らしい一年を送られるようお祈り申し上げます。


                    第九章 おわりに 南海の女王陛下への信仰とジャワ人生活への影響 (7)

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                       第二の角度はジョグジャカルタ王室の関係である。ジョグジャカルタとスラカルタの王室の存在にとって、ジョグジャカルタサルタン国の存在がその周囲にある超自然界と切り離すことができないので、南海の女王陛下の存在は大変重要な役割がある。代々伝わってきた南海の女王陛下に関する神話は、南海の支配者へ向けられる宗教行為を通じてジョグジャカルタサルタン国の支配者によって内面化された。そのモデルで、Leach (1981:82)は、可視世界と不可視世界を伝統儀式が橋渡ししていると解説している。南海の女王陛下に関連して実施されている各種の伝統儀式は、不明瞭な[1]超自然界と結びつけるために現在はジョグジャカルタとスラカルタサルタン国であるマタラムの国民と支配者たちからの努力のたまものなのである。全宇宙という文脈では、ジョグジャカルタの国民は一度に南海の女王陛下の王国の幽界の住民となり、逆にいうと、南海の幽界における存在はマタラム王国の支配地域内の存在であると、マタラムの国民と支配者に正しく理解されているのである。たとえ次元が異なろうとも彼らは同じ地域に一緒に住んでいるのである。このことは神秘的に混乱と差異を生じさせないようにこの両世界の協力があるという絶対理解を引き出すのは確かである。まあ、マタラム国民全員が神秘的に直接通信することができないために、行われている各種の伝統儀式はこの協業の橋のようになっている。それゆえ、この儀式の緊急性はあちらの世界と連絡するための神秘的な能力を有していない大多数の国民にとって極めて重要になっていて、幽界とのコンタクトと交信をその中に組みこんでいる。

                       

                      [1] Datan kasat mata


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